前史 tamayurapro ①

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高校を卒業する前に、

「1年間サラリーマンをしたら、

会社を辞める。」

 と、親しいクラスメートに

話したことがあります。


高校を卒業して、すぐに

マンガ家にならなかった理由は、

社会経験がほしかったからです。

まとまったお金が毎月、

サラリー(給料)として入ってくる、

それはうれしいものです。


その手にしたお金で、

好きなものを買う。

様々な女の子と遊ぶ。

今まで満たすことのできなかった

欲を、お金を使って満たす。


お金は希望のツール(道具)でした。

それは今でも変わりません。

 この先、キャッシュレス社会へと

時代が移行し、お金というツールが

無形の信用資産と成り代わっても、

私たちの生活を豊かにしてくれる

便利なツールであり続けるでしょう。


ひまわりの芽③


 ただ、上手な遊び方を知らない当時。

二十歳前の私は、

大事な一つの

習慣が欠けていることに、

気付いていませんでした。それは、


【充分な内省する時間を毎日

     きちんと取る】ということ。


遊びよりも。

仕事よりも。

そこに優先度を高く保つ意識を

向けなかったがために、

それまでできていた、

生活への丁寧さ。

勤勉さが損なわれていき、

自分から見た時の自己は、

軽薄青年へと堕ちていきました。


蔦


人生で、

はじめて上司となってくれた方や、

まわりの先輩、同僚の方々には、

迷惑ばかりかけた過去を想い。

本当に申し訳なく思います。

本当にすみませんでした。

 と、この場をお借りして謝罪します。


そうして1年間、

サラリーマンを経験したのち、

脱サラリーマンをして。

貯金を崩しながら、

マンガを本気で描くための

生活をはじめました。

50万円程あった貯金も、

なくなるのはすぐです。

 わずらわしい人間関係は、

よけいな心配事の種をふやす。

当時、19、20歳の私は

そう思っていました。

先立つものは新聞配達のアルバイトで

得るようにしていました。


 新聞配達という仕事は、

人との接触が少なく。

かつ、肉体が拘束される時間を

最小限に抑えてくれる。

当時の私にとっては、

都合の良いアルバイトだったのです。


ひまわりの芽④


今だから身に沁みてよく分かり、

言えることなのですが。

当時の自分がやりたかったことは、

面白いマンガを

描くことだけではなく。


面白いマンガを描いて、

自分の知らない人に、

自分のマンガを面白いと

認めてもらい、

好きになってもらう。それにより、

母やきょうだい。

まわりの方々。

友人たちに。

自分の生き方を

認めてもらいたかったんだなと、

振り返り、思います。


ひまわりの芽⑤


そこに気づくより前に、

没頭する時間は一年と半年間程で、

没我の境地へと達しました。


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